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ロデンバッハはメイド服の夢を見るか?~甘いみつの部屋ブログ~

2011年5月5日トレジャーフェスタin有明5で原型師デビュー。まだ出来ることは少ないですがよろしくお願いいたします。

寸法直し

 有子さんの原型が一段落したので暫く着物の寸法直しをしていました。


 自分が着ている着物はほとんどサイズが合わないため購入後、寸法直ししています。
 


 具体的に

 着物…
 1)裄出し…袖を身頃からはずしてから縫い代を出します。
 自分は裄は72cmくらいなので、ぎりぎりまで出せば何とかなります。
 寸法直しで最も簡単です。
 
 反物の幅は大凡1尺(1鯨尺=37.8787879cm)でして、

 2鯨尺(身頃と袖)-縫い代=裄

 となります。
 

 2)着丈出し

 男ものは胴上げが入っているのでそこをほどいて出します。
 女ものはおはしょりで調整すればいいのですが、男ものは着丈丁度に直さなくてならないのが面倒です…
 購入する際にどれだけ“出せる”か確認してから購入しています。
 僕の身長(178cm)でも殆ど着れるようになります。
 
 “どこまで”ほどくかが重要です。
 胴だけでなく、袵や襟も一部ほどかなくてはならないのです。
 
 大抵「裄出し」と一緒におこないます。



 羽織…
 裄出しは着物と同様です。
 
 羽丈出しは着物と勝手が違います。
 自分は長身痩躯なこともあり、羽織丈長めが好きなので(110cm~120cmくらい)好みで直すことがあります。
 あと袴を着ける場合は長羽織の方がバランスがいいですね。
 
 アンティークの(といっても昭和初期くらい)縫紋付き御召し羽織(袴をつけてセミフォーマル。今でいうとブレザーというか三つ揃いスーツというか)なんかは長羽織が多いです。


 袴
 1)丈出し
 前部は前紐から、後部は腰板から出します。

 2)襠つけ
 股のない、所謂“行燈袴”(スカート型)から股のある“馬乗り袴”(キュロット型)に改造します。
 前にも書きましたが、行燈タイプって好きじゃないので…
 
 古着、現代もの問わずほとんど行燈仕立てなので購入後必ず直しています。

 どう“股ぐり”を造るかが重要です。
 袴の仕立て方って結構バラバラ・職人さんの自己流?なのであらかじめ縫い方をよく見てから考えます。



 こんなところです。

 長襦袢なんかは裄出しだけしかしないですね。自分は袴を着けることが多いのであまり見えないし…


 遅らばせながらようやく更衣(衣替え)、冬物(袷)をしまう前に直したかったのでここ10日ほど寸法直しばかりしてました…
 10月TF向け原型はヌード状態で放置プレイしてますw


 で、ちょこっと着物自慢…

 高価なものはあまり持ってないのでアンティークの変わったものを紹介します。

 ※アンティークとは本来100年以上経過した工芸品(WTOでも決められている)のことですが、ここでいう着物の“アンティーク”は戦前より古いものを指します。 

 “大島紬”

DSC_8313.jpg

 現在大島紬は“紬”といえども紬ではないのです。
 大昔(大体大正まで)は紬糸で造っていたのですが、現代では生糸を使っているのです。
 
 そういう意味で本物の大島“紬”です。
 縦横どちらも紬糸を使っているのでふかふかしていて、一般的な大島とだいぶ風合いが異なります。
 染め直しをしているのでなんだか良く分からない色合いになってます。

 洗い張りした“反物”状態で出てきたものを購入、仕立てました。
 ふかふかした風合いを生かしたかったので裏地は絹の藍銘仙地を使いました。

 ただ…仕立てから気付いたのですが、渋すぎるというか着るとあまりにコスプレになってしまうのでほとんど着ていません。


 一般的な泥大島
DSC_8305.jpg
DSC_8310.jpg

 現代の本場(奄美大島)とは少し色見が違いますが、まあ良い品ですね。こっちは昭和初期のものです。
 泥染めは田圃の泥を使うのですが、奄美大島と、ほかの島や鹿児島本土では微妙に異なるのです。
 
女ものの高級品でよく判断の基準になる「マルキ」についてはオミットします。
 男ものではあまり話題にならないし


 これも洗い張り状態で出てきたものを同様に仕立てました。
 自分が持っている泥大島で一番着ているかも


 ちなみに自分はあまり大島は着ませんw
 亀甲絣の白大島に藍無地の大島の袷袴なんていう贅沢もしましたが、コワいみたいorz

 ※白大島って、白麻の三つ揃いスーツ同様、ヤ○ザさんぽく見えるらしいです。
 
 冬場は結城縮や塩澤紬の絣のもの、盛夏は白絣の上布が多いですね。

 袴も冬場だと結城縮や牛久などの紬が多いです。ズボン感覚にウール物でもいいのですが…
 夏になると絽や紗の御召しや紬になります。

 羽織はグレーの御召しが多いかなあ…殆どブレザーを羽織る感覚ですね。
 夏は変り絽や紗、羅なんかの絡め檻の黒になります。
 夏の羽織の風情は好きですよ~暑いけどw

 いかにも“着物着てます”然しているようなお茶席好みの御召しや大島等紬のお対なんかも好きじゃないのです。
 アンティークであるかどうかにかかわらず昔からある絣の紬なんかが好きなんですね。


 そういう意味ではコスプレなんでしょうね。


 履物は以前は雪駄(南部や棕櫚畳)が多かったのですが、雨に弱いという欠点(2回ほど壊しました)もあるので駒下駄やブーツにしてます。
 下駄は少し細身の物が好みなので女ものの駒下駄を、ブーツも女もののサイズが少し大きめなものを見つくろっています。履物の鼻緒は冬なら印伝やグレーの本天、夏場は白革がベスト。

 鎌倉彫りとか右近下駄、柄足袋とか許せないんですね。


 羽織紐は昔ながらの長めの組み紐のみ使っています。単色の変り組みのものや多色のものが多いのですが、小さいものやトンボ玉を使った無双紐(相撲取りがよくしているやつ)は好きじゃないです。
 夏場は白の平打ちしか使いません。下手に色がついていると暑苦しいので。
 グレーも色調はいいのですが凶事になってしまうのかな

 参考までに 

 結城紬80亀甲
DSC_8311.jpg
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 現代ものの結城紬です。
 藍染(化学染料)で亀甲絣は最もポピュラーですね。
 昔は1亀甲で1万円とよく言ってましたが、現在80亀甲だと40万位みたいです。
 中古(躾糸がついていたので新古品)なのでそんなに出してないけどw

 まあ良く造っているとは思いますが、アンティークと比べて味気ないですね。
 寸法直ししてからほとんど着てないです…
 「本場結城の80亀甲」を着ている…と思われるのも癪なのでw
 
 アンティークの結城は結構持っていて冬場は重宝していますが…
 結城紬のアンティークは大抵“縮”織り(結城御召ともいう)なんですが、イマイチ人気がないみたいです。
 僕は結構好きなんですがね。

 
 巫女袴…ではないですよ。
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 有職装束の指貫や指袴と襞の取り方が異なります。

 指貫・指袴・巫女袴は前後とも三襞寄せ、
 馬乗り袴・仕舞袴は前五、後1
 となります。後者は腰板をつけますし。

 そんなんで巫女ぷれい?できないorz
 
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 緋染めの精好織の仕舞袴(能用。一般的な馬乗り袴と少し仕立て方が異なる)です。
 緋の精好といえば十二単(唐衣裳装束)の長袴や女子神職の袴なんかに使います。
 有職装束とほぼ同じ生地で造った仕舞袴です。

 男性で緋染めの袴を着けられるのは、現代では御一方(天皇陛下の御引き直衣・御上直衣)です。
 江戸時代までは院政が残っていたので上皇の緋の指袴なんかもですね。


 
 有職(神職)ついでに指袴です。

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 神職さんが浄衣の下につけたものでしょう。
 白平絹(羽二重)袷仕立てです。

 これが緋の精好になると女子神職(巫女袴)になります。
 
 最も助勤巫女の経験がある女性に言わせると襠のある(股が分れている)緋袴は嫌われている?らしいです。
 所作が綺麗なのは良いけど、取り回しが面倒くさいみたい…



 人をひどく舐めた袴
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 これも仕舞袴でした。
 本物の仙台平ではなく化繊のイミテーションです。

 なめているというのは…


 ちゃんとした袴だと前紐裏の縫い代を反物の織端で包みます。
 その織端にはよく「精好仙臺平」と筆文字風に書いてあるのですが
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 こちらは「精巧仕舞平」なんですね…残念過ぎるorz

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 ※本場の仙台平はほとんど絶滅しています。人間国宝も甲田氏だけですし。
 一般的に仙台袴といわれるものは米沢辺りで織られています。

 銘仙道行
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 女性物を直したものです。

  元々はお父さんの着ていた着物をお母さん(おばあちゃん)が仕立て直してきてたものでしょう。
 生地は男ものっぽいし、縫い代とかに男ものだった頃の跡ありました。
 銘仙(安物の絹紬織物)ですが、裏地が凄い…
DSC_8301.jpg

 もう額裏というレベルですね…絵心がある家族の誰かに富士山をかかせたのかなあ~
 折り目の粗い平絹に絵筆で直に描いたようです。
 少し稚拙な額裏とはいえ面白いですね。
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 戦前の道行なので鳩目ボタンではなく組み紐留めです。
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 ちょこっと可愛い帯です。
DSC_8315.jpg

 おそらく七五三のために特別に造らせたものでしょう。
 画像の色が悪いのですが実際は何ともええ色なんですよ…
 
 よっぽどめでたかったらしく鶴と亀ですね。
 亀は亀甲なので分かりやすいですが、鶴は判るかな?
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 立ち姿のシルエットです。
 
 自分が使うにはあまりにも短すぎたので昼夜帯に仕立て直しました。
 倍の長さになるわけですが、子供は2回巻きが普通なので(成人男子の角帯は3回巻きます)丁度いい長さになりました。


 一見色無地の繻子の帯なんですが
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 あちこちに刺繍が施してあります。
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 おそらく女物の丸帯を仕立て直したものでしょう。
 他にも手毬の柄なんかも可愛いです。

 普通は
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 こんな帯を締めることが多いです。戦前の西陣のジャガード織かな?
 こういう渋い(でも色目は少し派手)な帯って現代ものでは少ないんですよね。
 西陣でもやたらに明るめな綴れ帯が多いしw

 

 自慢でもなんでもありませんが着物は結構持ってます。
 桐箪笥換算すると5竿以上はあるはず…結構人に譲ったりもしたんですがねw
 着るものってキリがないので~


 骨董市で安く買ってから直してきています。

 予算的には

 着物…4000円~10000円
 羽織…3000円~7000円
 袴…2000円~5000円
 長襦袢…1500円~3000円
 角帯…2000円~5000円
 
 くらいの価格帯のものがほとんどです。
 全部揃えて10000円~20000円で収まりますね。
 寸法直しはすべて自分でやっているのでプライスレスです。

 呉服屋さんで同程度のものを造ると20倍くらいかかりますが…

  
 しかし着物といいあまりカジュアルなもの持ってないですね…
 洋服もスーツはほとんど3つ揃いだし、テイルコートやフロック、モーニング等フォーマルばかり多いw
 ワイシャツもカラーのはずせるセパレートタイプしか持ってないorz

 日常生活ではあまり役に立たない“衣装”持ちという点ではどこぞのニート探偵と同様です。
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  1. 2012/06/21(木) 00:13:38|
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